最高裁が国籍取得に関する「父母の結婚」の要件は違憲だと判断したことを受けた国籍法改正案が、18日に衆院を通過した。未婚の日本人の父と外国人の母の間に生まれ、出生後に認知された子の国籍取得要件から「婚姻」を外す内容だ。
国籍は就職など社会生活上の重要な意味を持つだけでなく、選挙権など国民の基本的な権利にもかかわる。
しかし、改正案には不正な国籍取得を排除できるのかといった懸念が残っており、適切な歯止めを求める動きが党派を超えてみられる。違憲判断に行政府や立法府が対応するのは当然としても、問題点を生煮えにしたまま成立を急いでは禍根を残しかねない。参院でさらに問題点を議論すべきだ。
現行法は、未婚の日本人男性と外国人女性の間に生まれた子が出生前に認知されなかった場合、国籍取得には出生後の認知と父母の婚姻を要件としている。6月の最高裁判決でこの婚姻要件が違憲と判断されたことから、改正案は両親が結婚していなくても出生後に父親が認知すれば、届け出により国籍が取れるようにした。
衆院法務委員会の審議では、子に日本国籍を取得させ、自分も合法的滞在の権利を得たい外国人女性を対象に、不正認知の斡旋(あっせん)ビジネスが横行しないかといった懸念が示された。超党派の議員連盟も作られ、「改正案は偽装認知による国籍売買を招くおそれがある」と、慎重審議を求めていた。
自民、民主両党は今国会成立で合意し、衆院通過は全会一致とされたにもかかわらず、本会議の採決時に抗議の意思を示す議員が出たのはこのためだろう。
不正認知にはブローカーや犯罪組織の関与も指摘され、虚偽届け出には「1年以下の懲役または20万円以下の罰金」という罰則が新設されたものの、議連などは抑止力が不十分だと主張している。
衆院法務委の採決では、DNA鑑定を念頭に父子関係の科学的確認方法導入の検討や、虚偽届け出への制裁の実効性を高めることを求める付帯決議が行われた。父親による扶養や同居などの実態を考慮すべきだとの指摘もある。
日本国籍が取れないため、不合理な差別的扱いを受けている人の救済は急務だ。不正排除の仕組みが彼らに過大な負担となってもいけない。さらなる論議で望ましいルールを見いだすべきだ。
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民主党に投票した国民の責任は重い
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